薬剤師の転職年齢は何歳まで大丈夫？雇用側の本音に迫る！

一般的な会社員と比べると薬剤師は転職に有利な職業だといえますが、年齢がネックになってしまうのではないかと心配する人も多いのではないでしょうか。転職しやすい職業といっても、薬剤師の場合も若い方のほうが年配の方よりも有利なのは間違いありません。

ただ、どの職場に転職するかによっても事情は異なります。
今回は、薬剤師の転職年齢について、職場ごとに紹介していきます。

調剤薬局への転職

調剤薬局への転職の場合、薬剤師の年齢はあまり関係がありません。求人の数が多いということもあり、20～30代はもちろん、40～50代の薬剤師でも転職することは十分に可能です。条件が合えば60代の人でも転職は可能です。

個人経営の調剤薬局
オーナーが1店舗だけを経営している調剤薬局は、オーナーの家族と従業員で運営しているのが一般的なスタイルです。より人間性や相性が重要となる転職先ですが、オーナーに気に入ってもらえたら年齢に関係なく採用してもらえます。

中規模の調剤薬局
地元地域に10店舗前後を展開している中規模の調剤薬局への転職は20～40代の薬剤師が中心です。人材不足などで需要があれば50代の薬剤師でも転職することは可能です。ある程度の経験や知識がないと転職してから勉強する必要があります。

大手の調剤薬局
全国的にチェーン展開している大手の調剤薬局への転職者の年齢は、20～30代が多いです。40代の転職者の場合は実績や経験が採用のポイントになります。50代以上の方も転職はできますが、体力的にハードな業務も多いので、転職後に仕事がキツイと感じるかもしれません。

ドラッグストアへの転職

ドラッグストアは調剤薬局と同じく求人が多いという特徴があります。大きく分けると、調剤業務のある調剤薬局併設型のドラッグストアと販売のみのOTCドラッグストアがあります。20～30代であれば年齢は大きなネックにはなりません。40～50代の薬剤師でも十分に転職の可能性はありますが、職場にうまく馴染めるかは本人次第といえます。

調剤薬局併設型のドラッグストア
併設型のドラッグストアは調剤薬局がドラッグストア内にある店舗のことです。調剤やお客さんの相談に乗ることが薬剤師の主な業務で、年齢を問わず転職が可能です。業務における雑用が比較的少ないこともあり、40～50代の薬剤師は併設型のドラッグストアが転職先としておすすめです。

OTC販売型のドラッグストア
ドラッグストア内に調剤薬局がなく、OTC医薬品の販売やお客さんの健康相談を中心に、品出しやレジ打ちなどを行います。転職にあたり薬剤師の年齢はあまり問題にはなりませんが、多様な業務を行う可能性が高いため、年配の方は転職後に少しキツイと感じるかもしれません。

病院への転職

20代の場合
20代で病院へ転職する場合、実力があれば転職は可能です。経験が少ない薬剤師でも、病院は研修制度がしっかりしていることが多いため、大きなネックとはならないでしょう。ただし、調剤薬局やドラッグストアと比べて収入面では低くなってしまいます。

30代の場合
30代前半の場合は、病院で働いた経験がなくても研修制度が充実している病院を選べば大きな問題はないでしょう。30代後半の薬剤師の場合はある程度の経験は必要ですが、こちらも研修制度が整っている病院であれば無理なく転職できます。

40代の場合
病院へ転職する場合の年齢の目安は40代前半までです。ただ、十分な経験や実績がない病院への転職は難しいのが現実です。40代から転職する場合は、療養型の病院などが狙い目です。

企業への転職

薬剤師の求人を出している企業には、製薬会社や治験受託会社（CRO）、健康食品会社などがあり、どの企業の場合も年齢の目安は35歳くらいまでです。他の転職先と比べて年収は高いですが、求人数は少ないので転職のチャンスはあまりないといえるでしょう。

製薬会社
薬剤師の求人は営業職や研究職、コールセンターなどがあります。コールセンターは年齢を問わず転職しやすいですが、研究職は実績のある人が優先されます。営業職の採用は経験のある人の場合でも35歳くらいまでが一般的です。

治験受託会社
製薬会社からの依頼で治験業務を行う企業（CRO）のことで、最近、薬剤師の求人数が増えている注目の転職先です。転職年齢の目安は35歳くらいまでですが、経験のない薬剤師でも転職可能という点がメリットです。

その他の企業
薬剤師の求人があるその他の企業としては、医薬品卸会社や健康食品会社などがあります。転職する年齢の目安としては35歳くらいですが、相当な実績や経験がある方なら30代後半でも可能性があります。