業界ニュース 2018.06.07

インフルエンザ対策の救世主!1回飲み切りのゾフルーザの効能とは?

シオノギ製薬から2018年3月14日、インフルエンザ治療薬【ゾフルーザ】が発売されました。最先端の治療薬を最も早く提供する目的で厚生労働省が創設した「先駆け審査指定制度」が適用され、2017年10月25日の申請から僅か5カ月での発売となりました。
 
ゾフルーザは今後、インフルエンザ治療薬の主流になるのではないかと期待されている新薬ですが、今回は、効能や特徴についてご紹介したいと思います。
 
 
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ゾルフーザの効能

ゾルフーザが発売される前の日本国内におけるインフルエンザ治療薬は、【タミフル】【イナビル】【リレンザ】【ラピアクタ】の4種類が主流でした。この4種類は「ノイラミニダーゼ阻害剤」と呼ばれており、細胞内で増えたインフルエンザウイルスが細胞外に放出されるのをはばむことで、ウイルスが他の細胞へ感染していくのを防いでくれます。
 
一方、ゾルフーザは、「キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害剤」と呼ばれる薬で、細胞内でウイルスそのものが増えないように抑える働きがあります。
 
薬価・服用量
■薬価(医療保険適用前)
10mg
1錠
1,500円
20mg
1錠
2,400円

■服用量
体重80kg以上
20mg
4錠
成人および12歳以上の小児
20mg
2錠
新薬ということもあり、既存薬のタミフルの5日分約2,800円と比べると割高となっています。
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たった1回飲むだけ!

ゾフルーザは口から飲む錠剤タイプで、たった1回だけ飲めば済むため利便性が高く、飲み忘れも防げます。
タミフルが1日2回、5日間の服用が必要ということを考えれば、子供でも飲みやすく、高齢者への体の負担が軽くなるといった効果が期待できます。
また、季節性インフルエンザAとインフルエンザBの両方で効果がある治療薬です。
 
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子供でも服用可能

ゾフルーザは成人だけでなく、子供でも服用可能なのが特徴です。
イナビルやラピアクタも子供の服用が可能でしたが、イナビルは子供にとって吸入が難しかったり、15分以上かけて点滴を行う必要があるなど、デメリットがありました。
タミフルは小児用のドライシロップがあり、新生児も服用可能ですが、5日間、毎日2回の服用が必要で、副作用に関する報道の印象などもあり、不安を抱いている保護者の方もいるようです。
 
ゾフルーザは体重が10kg以上なら12歳以上の子供でも服用可能なので、錠剤が苦手なお子さんでも、1回飲めば済むこの薬は、親御さん的にメリットに感じる部分があるのではないでしょうか。
 
この薬が発売されたことで、インフルエンザ診療の幅が広がることが期待されますとは言え、全くの新規有効成分なので、まだ使用経験が乏しい薬であるというのも事実です。臨床試験では見られなかった副作用など、新たな問題が出てくる可能性はゼロではありません。インフルエンザ対策の救世主となる可能性を秘めた新薬の、これからの動向に注目していきたいところです。
 
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