リフィル処方箋の導入に賛成8割!導入メリット・デメリットは何か?
先月、日本医療政策機構が公表した、2017年の「日本の医療に関する世論調査」の結果によると、リフィル処方箋の導入について、国民の8割が賛成しています。
このリフィル処方箋はすでに多くの先進国で導入されており、実績も十分に伴っていますが、日本では議論自体はされているものの、未だに導入にはっていません。
そこには、メリットだけでなくリフィル処方箋ならではの導入のデメリットも伴うため、慎重にならざるを得ないという理由があるようです。
当然のことながら、導入されれば薬剤師への影響も大きなものになります。
いざ導入された時にしっかりと対応できるように、リフィル処方箋のメリット・デメリット、そして薬剤師の仕事への影響について確認しておきましょう。
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導入のメリット・デメリット
■患者側のメリット【患者が「病院に行く手間」と「時間」と「医療費」を節約できる】
調剤のたびに新しい処方箋が必要となる現在の処方と違って、リフィル処方箋は1つの処方箋で複数回の調剤が可能になるため、病院に行くことなく、近くの薬局で処方してもらえるからです。
お年寄りや体の不自由な方にとってはとても喜ばしい制度だと言えます。
もちろん再診療費が不要になるため、医療費の節約になるというメリットもあります。
【残薬問題の解決】
毎回病院で受診する場合、できるだけ通う回数を減らすため、まとめて処方する場合があります。
しかしその場合、自分で判断して途中で服用をやめてしまい、薬を残してしまう患者が多くいるのです。
リフィル処方箋であれば、小分けにして必要な分だけ処方できるので、薬が残ってしまうというようなこともなくなります。
■病院側のメリット
【診療の効率化】
患者だけではなく、病院側にもメリットはあります。
病院側の負担も軽減できるというところも、この制度の大きなメリットです。
現在の制度では、薬だけ処方してもらう場合であっても、基本的には受診が必要です。そうした簡単な受診にもある程度時間がかかってしまうため、より深刻な病状の患者さんを待たせることになってしまいます。
リフィル処方箋であれば、薬だけを受け取りたいという患者さんの受診を大幅に減らすことができるため、診察の効率化が期待できます。
■デメリット
【経過観察の機会の減少】
デメリットとしては、経過観察の機会が減ってしまう分、患者の状態悪化に気づきにくくなるという点です。
患者によっては命に関わる場合もあるため、些細な変化を把 握しにくくなることは大きなデメリットと言えます。
【医薬品の転売】
医薬品の転売に悪用されるという可能性もあります。
安全性を確保するためにも、こうした懸念材料を解決できる管理体制が必要になるでしょう。
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薬剤師の仕事への影響
リフィル処方箋制度が導入されると、薬剤師の仕事内容へ大きく影響すると言われています。その理由は2つあります。1.病院での受診回数が減る分、薬局へ処方を受けにくる人が増加する
2.医師に代わって経過観察を行うことになる
患者本人では些細な体調の変化には気づきにくいため、対面で対応できる薬剤師が医師の代わりにその役割を果たす必要があるのです。
こうした職務の広がりに対応できる柔軟性が薬剤師に求められます。
そのため、薬局によってはリフィル処方箋のメリットを活かせないというケースも出てくるかもしれません。
多くの変化へ柔軟に対応して、適切なサービスを提供できるよう、メリットだけではなく、デメリットや仕事への影響についてもしっかりと把握しておくことが大切です。
日本の場合、リフィル処方箋の導入はまだしばらく先だと考えられてきましたが、少しずつ現実味を帯びて来ているのも事実です。
導入後は薬剤師の技量がより問われることは間違いありません。
しっかりと新制度の特徴を把握して、導入に備えておきましょう。
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